奥の細道を求めて

仏を求める旅

奥の細道を求めての新着ブログ記事

  • 真鍮の置物

    先日マクロードガンジの土産物屋で金もないのにこんな物を買ってしまった。でも、見ているととても面白い。 女性をこのように表現した例を私は今まで知らない。この像は現実と幻想の狭間に成立している。以前紹介したアルチのグリーンターラーや応挙の藤花図とも同じだ。幽霊画を描いている松井冬子に通じるところもある... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #7

    忘れていたけど、もう一つ重要な場所があった。霊鷲山だ。 意味は禿鷲の山。頂上に禿鷲に似た大きな岩がある。平地からの高さは200mくらいだろう。マガダ国の王様も礼拝しに来たので広い道もある。ここでお釈迦様は多くの経典を説いたと伝えられているのだけど、説法座は写真からも判るように決して広くない。2,3... 続きをみる

  • ダラムサラの春

    庭前桜花開 泰然雪山見 此処天竺於 何処彼岸求 子どもたちは歌い踊り 老木はそれを見守る 鸚鵡たちが若木の枝を飛び交い 孤独な鳶は餌を求めて山々を巡る 先日ライブラリーに通う途中でイギリス人のお婆さんに会った。少なくとも80歳は越えていると思う。ダラムサラに住んで38年経つと言っていた。今の彼女が... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #6

    クシナガラを出て、三蔵法師も修行したナーランダの仏教大学に来た。遺跡しか残っていないけど、その広大なのは想像以上だった。門の近くには崩れかけた高い仏塔があり、危険なので警官が誰も入らないように入り口で警備している。賄賂を渡して中に入ると、私がインドで見た中で最も荘厳な仏教遺跡だった。今にも崩れそう... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #5

    入滅の地であるクシナガラに着いた。お釈迦様が入滅されたのは80歳の時で、おそらく故郷への旅の途中だったのだろうと言われている。救えなかったシャカ族を弔うために最後の旅をしたのだろう。二本の沙羅の木の下で、右脇を下にして入滅された。 死因は下痢による脱水だった。その少し前に信者に饗応された何かしら(... 続きをみる

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  • ライブラリーの新学期

    ダラムサラはまだ寒い日もあるけど、3月5日から新学期が始まった。 このお坊様はニンマ派の方らしい。一方英語の通訳の方はゲルク派だ。テキストもニンマ派のものなので通訳の方はあまりスムーズには進まない。その辺もニンマ派とゲルク派の違いが判るようでおもしろい。 この先生は去年チベット語文法を教えてもらっ... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #4

    この頃には一ヵ月くらい経っていたので、インドの交通事情も分かってきた。インドの民間の交通規則は単純で、ぶつかった時に勝つ方が優先だ。痛い思いをしたく無ければ、そう思った方が道を譲る。なのでインドには歩行者優先などという概念はない。チャリで移動している時も、霧の深い朝に舗装されている部分を走っていた... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #3

    ヴァラナシは言わずと知れたインド最大の聖地だ。私は燃えている人の死体の間を歩いて渡り、泊まるところを探した。その近くのそこそこ清潔でそこそこ安い。焼き場に近いので毎日見に行くこともできて、人が燃える時にはプツプツ油が跳ねることを知った。金のない人を焼く時には生焼けのままガンガーに燃え残りの薪と一緒... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #2

    最初私はブッダガヤーから 歩いて仏跡を巡る旅を計画したのだけど、日本人にその計画を相談すると全員が「それはあまりに危険なので止めた方が良い」と言われた。でもインド人に話すと「何の問題もないよ。俺の親父は行商でその辺を毎日歩いていたんだから」と言う。どちらが正解なのかは実際に試してみないと判らない。... 続きをみる

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  • 私が初めてインドに来た時のこと #1

    私が初めてインドに来たのは15年くらい前の52歳頃だったと思う。最初の海外旅行でインドを選ぶ人は少ないだろう。しかも仕事が急に空いたので何の下調べもしないで来てしまった。ヒンディーはまったくできず英語もカタコトだ。後でガイドブックを読んだら、インドでこれだけは絶対にしてはいけない、ということを全部... 続きをみる

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  • シュレーディンガーの猫、生と死の重ね合わせ、縁起と無と空

    量子力学と仏教哲学との親近性について考えてみたい。 シュレーディンガー は量子力学の基本方程式であるシュレーディンガー方程式を23歳の若さで完成させた天才だ。でも自分で作った方程式を解いたら、その結果は常識とはかけ離れたものになってしまった。でも方程式に間違いがないことは確認済みなので、その結果を... 続きをみる

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  • 冬休みと料理と仏教修行

    12月14日にダラムサラのライブラリーでの一年の授業が終わった。 この写真はチベット語クラスの終了記念写真で、中央のグレーのダウンコートを着た女性が先生だ。とても熱心で教え方も上手く、質問すればこちらが納得できるまで丁寧に教えてくれた。なので来年は同じ先生のワンランク上の授業を受けてみたいと思って... 続きをみる

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  • ダラムサラには熊や豹がいるらしい

    先日お爺さんが山の中で熊 に襲われた、というニュースを授業のグループメールで知った。そう言えば以前チベット人から夜中に道をバイクで走っていたら目の前に豹 が出て来た、という話しも聞いたことがある。その時はこんな町中に豹が出るなんて本当なのだろうか、と疑ったのだけど他の人にも確認したら本当に出るらし... 続きをみる

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  • インドで作る鯖缶カレー

    少し以外だったのだけど、ダラムサラでも鯖缶を売っている。 左から水煮、真ん中がオイル漬け、右がトマト煮。インドには魚カレーもあるのでもしかしたらインド人も鯖缶カレーを作っているのかもしれない。でも多くはないだろうから売っているのは外国人が多く来る上の町のマクロードガンジだ。少し高くて一缶230円く... 続きをみる

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  • 上座部仏教の主張する「大乗非仏説」への反論

    パーリ語で書かれた上座部仏教の経典はおそらく、お釈迦様の教えを確認するために集まった弟子たちによる初回の結集の後にまとめられたものだろう。なのでそこには原始仏教の面影が色濃く残っている。その結集ではアーナンダが記憶を元にお釈迦様の言葉を再現し、全員がそれに同意した。二回目の結集はそれから百年後に行... 続きをみる

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  • 家庭料理

    私はどの国の料理でも家庭料理が一番美味いと思う。私の知っている限りでは日本、中国、インドすべてでそうだ。町中のレストランの料理は味を強調するのでたまには良いけど、それは家庭料理という基本の上のアクセントとしておもしろいというに過ぎない(高級料理店の味は知らないけどね)。 コルカタのレストランで本場... 続きをみる

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  • 勝義諦と世俗諦、あるいは空と縁起について

    勝義諦と空が同一なのと同じく、世俗諦と縁起は同一である、と私は考えている。 大乗仏教の二つの大きな柱が空と縁起であり、その価値の間に優劣の差はない、ということに異論がある人はいないだろう。そして勝義諦の内容が空であることも一般に認められている。でも世俗諦と縁起が同一であることはそうではないらしい。... 続きをみる

  • 米粒を選別する

    昔『美味しんぼ』というアニメで、海原雄山が料理人ではない召使いの家に食事にいく、という話しがあった。召使いは海原先生に出せるような料理は作れないので、最高のご飯と味噌汁を用意しようとした。そのために取った方法が、米粒の中から最高の米だけを選別し味噌も最高の部分だけを選別する、というものだった。 で... 続きをみる

  • 手作りクッキー

    夜8時頃サンジャナとクリシュが私の部屋に来た。こんな遅い時間に来ることは珍しいので何かと思ったら、皿にクッキーを入れて持って来た。食べてみるとまだ暖かい、お母さんの手作りだろう。普段私が二人の兄妹にお菓子をあげているからそのお返しなのかもしれない。一度だけ買ったことのあるインドの伝統的なお菓子はま... 続きをみる

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  • チベット語の主格と目的格について

    チベット語には、基本的には主格と目的格を表示する格助詞がない。なので日本人の初学者が先ず躓くのがここだ。名詞だけが格助詞なしにするとその関係が分からなくなってしまう。でもチベット語は日本語と同じでそれを会話の文脈の流れの中で判断するから、文脈を無視して一文だけを任意に切り出してしまうと訳の分からな... 続きをみる

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  • 私的理解による仏教思想の流れ

    仏教の始まりは2500年前にインドのルンビニー(現在の政治区分ではネパール)でお釈迦様が生まれ、35歳で覚りを開き80歳で亡くなるまでの45年間にガンジス河沿いの北インド各地で説いた教えを基にしている。お釈迦様は自身の言行を記録してないけど、説法に常に随行していたアーナンダ(お釈迦様と仲の良い若い... 続きをみる

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  • 月と猫

       私を見上げる猫の目が 十三番目の月になって 日の当たる雲に浮かぶ 今日は7月30日だけど、チベットは太陰暦を使っているから今日は六番目の月の十三日だ。この猫は今日初めて私の部屋に来た。人に馴れてるからおそらくどこかの飼い猫なのだろう。 私は月と猫に近いものを感じる。どちらも夜が似合う。

  • チベット語の難しさ

    この一年半くらいはインドのダラムサラの図書館の授業で毎日チベット語を勉強している。チベット語は日本語と文法が似ているので勉強しやすいのだけど、難しいのは発音とスペルだ。日本人の耳には区別できない音が多いし、(おそらく現代の会話では)場合によって発音したりしなかったりする文字も多くある。チベット語を... 続きをみる

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  • チョットお醤油貸して、と言えるような間柄

    夜8時頃サンジャナがお母さんと一緒に私の部屋を訪れた。何かしら必要なものがあるらしい。その少し前にタマネギをみじん切りにするためのチョッパーを貸していたから何か料理に関係するものだろう、という予測はつくけどヒンディー語なのでそれが何かは分からない。マサラという単語は聞き取れたので何かしらの香辛料が... 続きをみる

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  • 解脱と煩悩

    解脱とは煩悩あるいは永遠の輪廻(業苦)からの解放である、という事はバラモン教でもインド仏教でも共通の認識だ。でもいったい解脱とはどういうコトなのだろうか。 最初に結論を言っておくけど、私が思う解脱とは禅宗で云われている生と死の重ね合わせのことだ。そして解脱するためには煩悩を完全に滅してしまってはい... 続きをみる

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  • アルチのグリーンターラー

    先日アヤさんからマハーカーラのタンカを買ったばかりだというのに、また新しいタンカを買ってしまった。アルチのグリーンターラーだ。 この絵はセキさんという日本人画家がダラムサラに来た時に手に入れたものでとてもいい。アルチというのはインド北部の山間地の地名で、その付近のチベットのお寺の壁画の様式の名前に... 続きをみる

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  • 無気音と有気音

    音数の少ない日本語を話す日本人にとって一番難しいのがチベット語の無気音と有気音の区別だと思う。この音は英語、中国語、タイ語、ヒンディー語など多くの言語にある。アルファベット表記ではka と kha の区別なのだけど、チベット語は日本語と同じで子音と母音を同時に発音するので英語の有気音とは少し違う。... 続きをみる

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  • サンジャナの家族の紹介

    サンジャナに使っていない料理油を上げたらそのお礼としてサンジャナのお母さんのお茶会に招待された。 真ん中がサンジャナで左がお父さん、右がお兄ちゃんのクリシュだ。 そしてチャイを作ってくれたお母さん。私もチャイを作るけどここまで美味しく作ることができない。香辛料の使い方が違うのだろうね、やはり本場の... 続きをみる

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  • ヒンディー語

    せっかくインドにいるのだからヒンディー語も勉強したい。サンスクリット語は日本にいた時に3年間くらい勉強していたので文字を読むことはできる。 ということでこの子が私のヒンディー語の先生だ。   前にも紹介したけど、この子は私が住んでいるアパートの同じ階のサンジャナで、この日は初めてサリーを買って貰っ... 続きをみる

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  • マハーカーラの営み

    窓ガラスに映る私の顔とあなたの心が遠く響き会う 私の夢はあなたと一緒に海を渡ることだったのに 私だけがここで凍えている 狐に追われ雪原を逃げ惑う仔うさぎに休める処は無い 遠いヒマラヤの山々は美しい雪に覆われ 花咲く木々の梢に小鳥たちが飛び交っているのに 私一人が誰もいない冷たい氷の中で震えている ... 続きをみる

  • マハーカーラ

    マハーはサンスクリット語で大きな、偉大なという意味でカーラは黒、あるいは時間という意味だ。バラモン教の神さまの名前なので漢訳では大黒天と訳されている。私の解釈ではマハーカーラは倫理的な側面を代表するヤマ/閻魔天と共に具体的に人の生と死を司どる神さまだ。おそらくあと20年くらいで死を迎えるだろう私に... 続きをみる

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  • 刹那滅

    時間論は物理学でも西洋哲学でも一大テーマだけど、私の知る限り仏教学に於いては刹那滅論しかない(とは言えそれは膨大な量なのだけど)。なのでまず仏教における刹那滅論を紹介したい。 刹那滅は仏教に於いて諸行無常を時間論の立場から説明した概念だ。流れる川のように、ものごとは一瞬(刹那)も留まらない、という... 続きをみる

  • 新学期

    ライブラリーでの授業の新学期が始まった。私はチベット語のクラスを文法と会話の二つで受けているのだけど、そこにはさまざまな国の人たちがいる。ロシア人、アメリカ人、ドイツ人、オランダ人、台湾人、韓国人、中国人、ベトナム人、などなど。西洋人を除いて東洋人では皆んな大乗仏教圏の人たちで上座部の人はいない。... 続きをみる

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  • 豚汁らしきもの

    あまり凝った料理は作らないのだけど、豚汁は例外で日本でも3時間くらいかけて作っていた。豚バラ肉、大根、人参、ごぼう、蒟蒻、玉葱を炒めて豆腐を入れて出汁と味噌で煮る。美味いことこの上ない。 でもインドで作ろうとすると足りないものが多くある。まず出汁がない。昆布も鰹節もないので仕方ないからカレーを作る... 続きをみる

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  • 乱数表、あるいは空について

    乱数表は主にコンピュータ科学で利用される数学的道具の一つだけど、これを完璧に生成できるアルゴリズム(方法)は存在しない。 乱数表なんて勝手に数字を並べれば良いだけなんだから、最も簡単に作れるんじゃないかと思うかもしれないけど、乱数表には人の意思も何らかの物理法則も数学も時間も介在させてはいけない、... 続きをみる

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  • セガンティーニ

    私の好きなセガンティーニという画家はアルプスの高い山の中に暮らしていた。ウィキぺディアに依ると若い頃はイタリアで活躍して 結婚してから故郷のスイスに戻ったらしい。その一枚を紹介すると この絵は『淫蕩な女たちへの懲罰』という題名で知られている。もう一枚 は『悪しき母』 この二枚の絵から類推されるセガ... 続きをみる

  • 言語の本質とは何か

    現代言語学の始まりはソシュール の『一般言語学講義』(悪名高いフランス構造主義の始まりでもある)で、それをより科学的に洗練させたのがチョムスキー の生成文法だ。 私が、言語学にも通底していると思っているコンピュータ科学のデータベースを構築するための最も有効なアルゴリズム(方法論)、に二分木探索法が... 続きをみる

  • マルキ・ド・サド

    性文学の広さと深さは測り知れない。古くは紫式部の『源氏物語』(源氏物語を性文学に分類するのに反対する人はいるだろうか。まだ子供の「紫の君」を力づくで犯したり義母と関係を持ってしまうなんてのは性文学の定番だ)やアラビアの『千一夜物語』、近いところでは永井荷風の『四畳半襖の下張』、谷崎潤一郎の『鍵』、... 続きをみる

  • ドガ

    ドガ という画家はパステルで描いた美しい踊り子の絵 が有名だけど、山田五郎の『大人の教養講座』を視聴してみたら、どうやら彼はオタクでコミュニケーション障害で変態だったらしい。それまで私はドガが淡くてあまり好きではなかったのでよく見てなかったのだけど、もう一枚の踊り子の絵 の端に描いてあるオジサン二... 続きをみる

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  • 音楽と数学

    音楽と数学は似ている。音楽は明確な五線譜上の音符と強弱などの記号で記述され、数学は数と明確に定義された記号で記述される。でもそれらの明確さの中にもある種の揺らぎ(あるいは不確定性)は存在する。 例えば数学的なバッハおけるリズムや音程と詩的なモーツァルトのそれとは同一の五線譜上には表現できなくて、各... 続きをみる

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  • ポール・ヴァレリ

    ヴァレリ はフランスの詩人で、かつ批評においては他に並ぶもののない天才だった。彼の個人的なノートであった『カイエ』に述べられた事柄は今でも私の指針としてある。特に私が24歳の時に読んだグラディアートルの章に述べられた事がらは今の私の人生を決定したと言っていい。 グラディアートルとはその当時のフラン... 続きをみる

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  • マクベスの魔女の言葉

    「お前にはもう二度と安らかな眠りは訪れない」というのは魔女のマクベスに対する宣告だったと思うけど、このことばが私の聞いた中で一番恐いものだった。幸い私はマクベスのような野望は持っていないので、魔女の誘惑に惑はされることなく毎日安らかな眠りを眠っているけど、それへの不安は今でも消えてはいない。 私は... 続きをみる

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  • 赤い雪のかけらが緑の瞳に溶ける 黄と青の小鳥が飛び交い 緋と紫の花が咲き競うけど 目を閉じても濡れた唇の色は戻らない 優しく包み込む ここに私とあなたがいる 瞬く星空の風の流れる草はらに寝て 私とあなたは繋がる 時はここで止まり 再び動きだすことはない 甘美な一瞬が永遠に止まる前に ねえ僕を恋して... 続きをみる

  • 中道について

    大乗仏教の基本理念である中道の解釈には変遷がある。最初にお釈迦様が説いた中道は、苦行によっては涅槃(ニルヴァーナ、こころの平安)に至ることはできない、ということだった。マハーバーラタを部分的にだけど読んでいるとバラモン教の多くの苦行者は圧倒的な力である神通力(超能力)を手に入れてその力によって自分... 続きをみる

  • 母語について

    母語とは何なのだろう。 外国を旅していて一番辛いのは日本語で話すことができないないことで、そんな時たまたま日本人に会うと会話が苦手な私でもつい嬉しくなって話し込んでしまう。そのように日本人は当たり前に日本語が母語だけど、世界には母語を持たない人々もたくさんいる。他国に征服されてしまった人たちだ。例... 続きをみる

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  • サンジャナとクリシュ

    最近アパートの同じ階のこの子がよく部屋に遊びに来る。サンジャナという名で12歳(私は最初9歳くらいだろうと思っていたのだけど)だ。 お兄ちゃんの方はクリシュという名で14歳くらいだろうか。二人とも近くの同じ学校に通っている。私の部屋に来る時は大抵お菓子やお小遣いをねだりに来るのだけど、サンジャナの... 続きをみる

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  • 英語、日本語、チベット語の文法について

    最初に、まず英語では主語は動作を行う主体のことであり動詞は主体のあり方の確定のことで最低限の文章は S+V で構成されるけど、日本語やチベット語では必ずしもそうとは限らない。三上章という日本語文法学者の本 を読んで私が考えたことを以下に述べたい。 英語の文章では主語と動詞が不可欠だけど、日本語やチ... 続きをみる

  • 「縁起」と「輪廻」について

    輪廻とは何か、何が輪廻するのだろうか。 輪廻の核となるような「私」という実在はない、ということは龍樹(ナーガルジュナ)以降の大乗仏教の歴史の中で揺らいだことがない確信だ。ではそのよう核が無いなら、一体何が輪廻するのだろうか。 私はここで唯識思想を検証したい。主に無着(アサンガ)で 唯識といえば世親... 続きをみる

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  • ダラムサラでの最近の生活

    あけましておめでとうございます 先日2時間歩いて近くの小さなタンカミュージアムに行って来たのだけど この女性はそこを案内してくれた人でマンツーマンで一枚づつ解説してもらえた とても知的で説明も上手い この二人の兄妹はアパートの同じ階に住んでいて 妹ちゃんの方は以前にも紹介したね(昨日この子が体温計... 続きをみる

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  • ダラムサラの秋の一日

    雨季が終り 短い秋の始まりは美しい 昨夜降った雨が遠くヒマラヤの初雪になり 夜気が冷たい 近くの山の端に陽が射して 下の町を照らし 日々の生活が始まる 朝顔が輝き 真上から草々に降り注ぐ 雲が湧き上がり 十三日の月が昇ると 家々の窓に火が灯り 霧は深くなり 秋の雲間に月が照る

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  • 白露の時節

    清明時節雨紛紛 路上行人欲断魂 借問酒屋何処有 牧童遥指杏花村 春の盛りの清明の季節はよく雨が降る。好季だというのに、 今日もこぬか雨の降る中を野歩きしている。 道行くわたしの心はすっかり滅入ってしまった。 酒でも飲んで気晴らしをしようと酒屋はどこにあるかと尋ねると、 牛飼いの少年の指さすかなたに... 続きをみる

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  • インドで料理を作る

    この写真はチベット料理のモモとテンツゥク。とても美味しいのだけど、日本人の私には何か少し違うと思えてしまう。味覚は教育されるものであるらしい。 私が前に泊まっていたマクロードガンジのゲストハウスからガムルー村のアパートに移り、ガス器具もようやく使える(インドで外国人がガスを使えるようになるのはかな... 続きをみる

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  • インドの四季

    八月は雲間に絶え間なく稲妻が走り 激しい雨と風が横殴りに吹きつける びしょ濡れになって震えていると たちまち真上から強烈な太陽が降り注ぐ アンナプルナの冬の山の深い雪の中を 飛ぶウサギはあまりに早くて キツネでさえ目で追うこともできない そしてあまりにも寒く体は凍りつく 春は山あいに桜が咲き 村々... 続きをみる

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  • 雨季

    鬱陶しい雨季だけど それなりに楽しいこともある 雲間の月の出 下に見える街中の雲 私が住んでいるアパートの同じ階の子供達 テヘペロ、みたいなね 9才くらいだろう 彼女は感情の起伏が激しいので 将来彼氏が出来たら彼は苦労するかもしれない この子は普段は見ないので多分親戚の子どもが遊びにきたのだろう ... 続きをみる

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  • ニカラグア手話、あるいは言語とはどういうものなのかについての考察

    言語学に興味がある人なら知っていると思うけど、ニカラグア手話の発生と発展の歴史の記述は言語学においての一大トピックだった。 私自身誤解していたので先ずことわっておきたいのだけど、手話は世界共通の言語ではない。国の数だけの手話の種類があり、しかも各国で方言まであるらしい。つまり手話も自然発生言語の一... 続きをみる

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  • 2022年7月14日、あるいはゴヤの恐怖

    世界がほどけていく ライブラリーの前期の授業の終了式が終わり 階段を降りようとしたところで 歩けなくなってしまった 頭を垂れて坐り込んでいると 横を通り過ぎるクラスメイト達が心配そうに声を掛けてくれる 手で大丈夫だと告げるけどまったく大丈夫じゃない 視界が白けて世界の重みが失われ秩序のない混沌に呑... 続きをみる

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  • 「無自性」とは何か

    今回は少し、仏教哲学に関する専門的な議論になってしまうので、興味がない方はトバしてください。 「自性は認めない」というのが仏教の最も基本的な立場なのだけど、では「自性」とは一体何なのだろう。仏教哲学で最も重要な用語の一つなのだけど、重要な概念だけにこれを明確に定義した用例を私は知らない。 私が思う... 続きをみる

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  • インド山間の小さな村にて

    深い谷間に見たこともない鳥が飛び交い 何羽もの美しい蝶が舞い踊る 犬がせわしなく餌を嗅ぎ回り 牛は暢気に道端で寝る 陽射しは強烈だけど日陰に入れば寒いくらい 新しい暮らしが始まり 世界は再編される 目の端に金色のウィスキーが映り 遠くにヒマラヤの山々がある 今 世界/意味の全体は再構築されようとし... 続きをみる

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  • ガムルー村の紹介

    私が引っ越したのはガムルーという名前の小さな村で、今まで滞在していたマクロードガンジとローダラムサラの中間にある、ライブラリーから少し降ったところだ。上下2つの町は賑やかで人も車も多いのだけど、ここは田舎なので騒音が苦手な私には丁度いい。ガムルーは山肌に沿って道が二本通っている。 これが上の道で ... 続きをみる

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  • ライブラリーでの授業風景

    その前に前回の『部屋探し』の記事で追加したいことがあるのでまず最初に。インドには不動産屋がないので大家との直接交渉で契約が成立すると書いたけど、そのせいで面倒な書類上の遣り取りや敷金・礼金・火災保険への加入などの強制的な書類上の手続きや余計な金を払う必要は一切ない。その場の口約束だけですべてが決ま... 続きをみる

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  • 部屋探し、の本文

    前回は私のミスで題名だけの記事をアップしてしまいました。以下がその本文です。 私が今滞在しているゲストハウスから、通学する図書館までは距離で言うと1.5kmなので大したことはないのだけど、高低差があるので足の不安な私が歩くと1時間近く掛かってしまう。行きは下り坂だからまだ良いとしても、帰りの登りは... 続きをみる

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  • マジュヌカティラからダラムサラへ

    マジュヌカティラに一泊してから夜行バスでダラムサラに向かう。飛行機はガラガラだったけどバスは満席だ。夜8:20分発のバスに揺られて、11時頃に一時休憩でドライブインに停車した。 なかなか賑やか。 バンドの生演奏もやっているから、流行っているドライブインなのだろう。1時間くらいの休憩の後でバスは発車... 続きをみる

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  • ブログ再開のお知らせ

    日本にいる間はブログを更新していなかったのだけど、インドに戻ったので再び始めたいと思う。 昨日の夜(2月25日金曜日、おそらくこのブログをアップする頃は三月になってるだろう)ニューデリーの空港に着いて、そこからプリペイドタクシーでデリー郊外のマジュヌカティラに来た。ここから私の嫌いな夜行バスで目的... 続きをみる

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  • ダラムサラから日本へ

    日本に戻ったのは6月17日だったのだけど、何かと忙しくて記事を書くのが今日になってしまった。 ダラムサラを出たのが6月12日、飛行機でデリーに着いたのが2時頃だった。予約しておいたホテルは空港から近いので歩いてみる。 10年前の印象しかなかったので、もっと小さい筈だと思っていたのが失敗で建て直され... 続きをみる

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  • 時間と言葉 (直子さんのブログ記事から)

    直子さんはインドのダラムサラでチベット仏教を勉強している方で、その成果をご自身のブログ(https://www.dechen.jp/)で公開している。直子さんは私がダラムサラでチベット語を教えてもらっている先生でもあるので、まずはそのブログ記事を紹介しよう。 『時間』 (時間は)過去、古代インドで... 続きをみる

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  • 日本への一時帰国

    私が居るダラムサラ、あるいはデリー近くの州でもロックダウンが1ヶ月も続き、外出も思うようにできない状況なのだけど、でもこれはこれで楽しくもある。食事はゲストハウスが無料で提供してくれて、チベット人が普通に食べているものを美味しく食べることができる。私のお気に入りはナスとキュウリの炒め物に唐辛子のソ... 続きをみる

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  • 畑山隆則 vs 坂本博之

    今、ダラムサラはロックダウンされているので外に出られない。天気の良い日には誰もいないゲストハウスの屋上に出て山と空を眺めながら風に吹かれて日向ぼっこをして、悪ければ部屋でおもしろそうな YouTube を探している。晴耕雨読は理想的な時間の有効活用の仕方だけど、今の私は理想的な時間の潰し方をしてい... 続きをみる

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  • モナ・リザ

    フッ、となにかが虚空に笑う 目の端に薄く赤い唇が 嘲笑うチュシャ猫かと見上げると 細かく降る雨の小さな粒だった 見開いた目球を濡らす 奥にまで入り込み ゆっくりと犯し 染み込んで来る 風に揺れるチベットの 蒼い平原に風の馬が飛び 入り乱れて雨の粒を追う 殺戮と蹂躙の歴史 天と地は茫芒と ほらそこに... 続きをみる

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  • ダラムコット

    ここ一年くらい、コロナの影響もあって半径300mくらいの範囲しか歩いていない。それはダラムサラが小さな町であるというのもあり、そこですべての用が足りてしまうというせいでもある。でもそんな、あまり変化のない生活を続けているとそれにも飽きてしまうので、晴れた日に少し遠出してみようと思い立った。 ダラム... 続きをみる

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  • 寒烏

    私のハンドルネームである寒烏は この絵から採った。蕪村の『寒烏図』だ。同じ主題で河鍋暁斎の『寒鴉図』もある。 これらの絵を観るたびに、この烏/鴉は〈私〉だ、と思ってしまう。

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  • 10年前のインドの旅の、苦い思い出

    10年前、私はチャリでお釈迦さまが歩かれたガンガー沿いの仏跡を巡礼していた。その途中、疲れたので田舎の露店の茶店に入ってチャイを飲むことにした。入った途端、店主は顔つきが嫌らしかったけど、チャイを飲むくらいなら何も問題はない、と思って飲んでいると、そこに7歳と3歳くらいの兄弟が重いバケツに水を汲ん... 続きをみる

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  • 六代目 三遊亭圓生の『死神』

    この落語は子供の頃、何回か聴いたことがあってとても好きだった。楽しくて、しかも怖い。それを最近 YouTube にアップされている貴重なテレビ画像で見ることができた。まさに話芸の傑作だ。もともとこの噺は明治期に活躍した圓朝という噺家がグリム童話を元ネタにして作ったものらしい。その噺は、 江戸時代、... 続きをみる

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  • 『クレヨンしんちゃん』と仏教との類似性について

    『クレヨンしんちゃん』のおもしろさは、(特に臼井儀人の原作で)大人の「思い込み」が覆えされるところにある。「コドモとはこういうモノ、オトナとはこういうモノ」という固定概念が覆えさせられる面白さだ。例えば、しんちゃんはオトナの性欲を持っている。同年代の幼稚園の女の子には興味がなく、二十歳の成熟した「... 続きをみる

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  • 『悲母観音』

    狩野芳崖の『悲母観音』、数多い観音図の中でも最高傑作だと思う。ここには深い慈悲がある。

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  • 言葉とは何か 2.

    次に唯識派の言語観について考えてみたい。 唯識派では「識の本質は現象をとどめることにある」と考えられている(私も意識の本質は刻々に移り変わる現象を留めるものだと考えている)。そして識とはコトバのことだ。 唯識派では「識」の構造をアーダナ識(分別意識)、マナ識(自意識)、アーラヤ識(無意識)の三層に... 続きをみる

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  • 言葉とは何か 1.

    私は、仏教の本質とはすべての生き物に共通の、生き延びるために必要な煩悩によって価値付けられた固定的現実世界、世俗(無明)から → 空(明)の世界を経由して → 縁起(自由な世界)としての現実を生きる(幸せの)こと、ではないかと思っている。 その三層の世界は違うものではない。お釈迦さまが遺されたお言... 続きをみる

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  • ダラムサラのインド料理について

    インド料理(カレー)は、基本的には水で食材を煮て、そこに香辛料を加えて香りと刺激をつける。サンスクリット語では「煮る」と「料理する」は同じ単語だ。でも多くの日本人にとってはインドの香辛料は強烈なので、最初はなかなか馴染めない。なんだか表面的な刺激物、という印象がある。インド料理にはダシという概念は... 続きをみる

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  • ものの意味が失われた体験

    今でもはっきり覚えている。高校1年の通学途中のバスの中だった。住宅街の中の小さな酒屋の入り口が見えた時、突然、世界がその在り方を変えてしまった。その街並みや酒屋は毎日見ていたのに、それまで見ていた世界は錯覚でしかなかった、というように。重大な思い違いをしていたのだ。日常が突然まったく見知らぬものに... 続きをみる

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  • 『紅白梅図屏風』

    尾形光琳の『紅白梅図屏風』これはこの絵が描かれた当初を再現した模写だ。現在は 銀は酸化して黒ずんでしまうのでこのようになる。 この絵はとてもエロティックだと言って共感してくれる人はいるだろうか。婚礼の際の新郎新婦の背景の屏風として描かれたものらしい。左の梅は老木で曲がりくねり白いので新郎だろう。右... 続きをみる

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  • 李白と王維

    写真      春日酔起言志    春の日に酔より起きて志を言う 処世若大夢    世に処(お)ることは大いなる夢に若(に)たるに 胡為労其生    胡(な)ん為(す)れぞ其の生を労するや 所以終日酔    所以(ゆえ)に終日酔い 頽然臥前楹    頽然(たいぜん)として前楹(ぜんえい)に臥す  ... 続きをみる

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  • アシュケナージとグレン・グールド

    私が好きなピアニストは、クラシックではウラディーミル・アシュケナージ とグレン・グールド の二人だ。アシュケナージではラフマニノフのピアノ協奏曲の二番と三番が好きで、グールドはバッハのゴールドベルク変奏曲の2度目の録音が好きだ。でもアシュケナージとグールドでは性格がまったく違う。アシュケナージは静... 続きをみる

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  • 子猫

    昼頃、いつものようにゲストハウスの屋上で日向ぼっこをしていると、子猫がいた。 なんともカワイイ。 最初は警戒していたけど、少し経つと慣れてきて、こっちの様子を伺っている。人に慣れているようなのでどこかの家の飼い猫なのだろうか。初めて見る。 そのうち水道管で遊びだした。 そして同じように日向ぼっこす... 続きをみる

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  • 最近のダラムサラ

    寒い。雪が降ると最高気温が5度くらいにしかならない日もある。ゲストハウスから借りていたヒーターも壊れてしまい、今部屋には何も暖房器具がないので、フリースのパーカーのフードを頭から被って、首には10年前にブッダガヤーで買ったショールを巻き、ベッドの布団に包まって寒さを凌いでいる。今は午前3時、気温は... 続きをみる

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  • 柔らかいこころ

    私は、仏教を学ぶ上で(のみならず、現実を生きる上でも)最も重要なことは「柔らかいこころを持つこと」だと思っている。これは道元禅師も仰っている。中国から帰国した道元は、朝廷に謁見し「お前が中国から持ち帰ったものは何か」という問いに対しただ一言「柔軟心」とお答えになった。当時国費で中国に留学した人びと... 続きをみる

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  • 空に浮かぶ月の不思議さ

    空に月が浮んでいるというのは なんて不思議なことなんだろう 『眠るジプシー女』 砂漠に旅芸人のジプシー女が眠り その横にライオンがいる現実にはあり得ない光景 『ピレネーの城』 こっちの方がもっとありえない 『海上の漁師たち』 少し現実に近い これは泊まっているゲストハウスの屋上で撮った八日目の昼の... 続きをみる

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  • 冬支度 、ラダックの思い出

    日本への定期便が再開したら、一度日本に帰ろうと思っているのだけど、いつになるかわからない。この冬はここダラムサラで越すことになりそうだ。 インドとは言っても、ここはヒマラヤに近い山の中なので、とにかく寒い。少し前、近くの山に雪が降り、その冷気がここまで押し寄せて来ている。冬至を過ぎたらその寒さはい... 続きをみる

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  • なぜインド哲学では「色」が「物」の意味になるのか

    「色即是空」の〈色〉とはインド哲学では「具体的にそこに存在する物」の意味である。でも色自体は、そこにそのものとして存在している物ではない。現代の科学によれば、色とは、光の波が何かの物にぶつかり、特定の波長の波だけが反射されて目の網膜に映り、さらにそれが電気的な信号に変換されて、それを受け取った脳が... 続きをみる

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  • りんごとは何か

    りんごが何かなんて幼稚園の園児だって皆んな知ってるじゃないか、と思ってしまってはいけない。単純なもの、良く知っていると思い込んでものほど奥が深い。例えばセザンヌという画家はりんごの絵を何枚も描き、いつかりんごで世界を驚かせてみせる、と言っていたらしい。そして、実際に驚かせてしまった天才だ。次の三枚... 続きをみる

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  • 数学とはどのような学問であるか

    数学の数(存在)の体系は、自然数ー分数ー整数ー無理数ー虚数、と増えてきた。 例えば、1+1=2 であるというのは、それは 2 という数があるからで、もし 2 という数がなかったら 1+1 の答えはどうなるだろうか。 [余談だけど、エジソンは小学生の時「なぜ 1+1=2 なのか」という質問を先生にし... 続きをみる

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  • 英語の冠詞について

    私は今、日常生活を円滑に送るために英会話を勉強している。サッパリ進んでないのだけど、その中で一つ気になったことがあるので以下に述べてみたい。 日常会話では、学校英語であれだけ喧しく言われた冠詞の使い方はどうでも良くなってしまう。意味さえ通じればいいので、その名詞が the か a か無冠詞なのかは... 続きをみる

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  • 芭蕉と子規の俳句についての私の解釈

    田一枚 植えて立ち去る 乙女かな 芭蕉 うろ覚えなので、この句がこのままだったかどうか分らない。そして以下に述べるのは、まったくの私の空想だ。 ある日、芭蕉が長い旅に疲れて、陽にきらめく美しい瑠璃/陽炎のような水が張る田んぼの近くの、大きな木(たぶん20mくらい離れている)の根方に寝ころんで休んで... 続きをみる

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  • 日本の食べものへの恋しさ

    私はちっともグルメではないので、食べ物にはこだわらないのだけど、でもやっぱり1年半も日本を離れていると日本の食いものが恋しくなる。 その中でも今の私が一番食いたいものは、立ち食いソバ屋のやまかけソバだ。よく仕事帰りの駅の立ち食いソバ屋で食っていた。噛み締めなければわからないホンノリとしたソバのそこ... 続きをみる

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  • 死について

    10年前インドに初めて来た時に自転車でガンジス河の周辺を走った。お釈迦さまが歩かれた道を私も自分の足で歩いてみたいと思ったからだ(今回は残念ながら私の体力がもうそれを許さないけど)。インドは交通マナーが悪く危険なので、それなりの覚悟を決めて走った。その途中のどこかでたとえ死んでしまったとしても、そ... 続きをみる

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  • Top of the World

    最近、英会話の勉強のためにカーペンターズのトップ オブ ザ ワールドをよく聴いている。この曲は私が中学生の頃に流行っていて何度も聞いたけど、当時は歌詞の意味なんて何も知らずに聞き流していた。英語の歌詞は Such a feeling’s coming over me There is wonder... 続きをみる

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  • インド人が生涯を賭けて求める3つの価値

    以下に述べるのは、『マヌ法典』と『マハーバーラタ』や『ラーマーヤナ』の一部分、それと私が実際に出会ったインド人たちから受けた印象なので、主に男の意見である。それを踏まえておいてもらった上で、 法、富、愛の3つがそれだ。これらの言葉を単独で厳密に定義するのはとても難しいのだけど、でも共通項は拾えるん... 続きをみる

  • 神秘主義と井筒俊彦

    私が自由に使える言葉は日本語しかない。でも世界にはことばの天才と呼ばれている人たちが多くいる。その一人が『コーラン』を和訳した井筒俊彦という人だ。世界的に有名な哲学者であり宗教学者でもある。30ヶ国語を自由に使うことができたらしい。とても信じられない話だ。 噂では各国の大使館員を自宅に呼んで教えて... 続きをみる

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  • シベールの日曜日

    風の中のだれかが私のほんとうの名を呼び そっとささやく シベール ぼくはきみを知っている ほんとにわたしはシベールなの それはほんとなの もしそれがほんとなら あの屋根の上の鶏をわたしに見せて わたしはずっとあの鶏がわたしだと思っていたんだから ひとりだけでずっと屋根の上にいて 風だけが友だちだっ... 続きをみる

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  • ダライ・ラマ法王14世とチベットの現代史について

    私は今インドのダラムサラというところにいて、ここには亡命チベット政府とダライ・ラマ14世の公邸もある。あまり大きくはないお寺に併設されていて、これがノーベル賞を受賞された法王さまのご自宅なのかと思うような、これもまたあまり大きくはない家だ。でもさすがに、門の前にはマシンガンを肩に下げたインド人の軍... 続きをみる

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  • お釈迦さまの対機説法の例

    あるお経(その名前は忘れてしまったけど)の中に下のように述べてある。これはこの言葉を聞いた記述者(アーナンダ)が記録したので、ありのままではないだろうけど、そして私の記憶も曖昧なので正確ではないと思うけど。 ある時、マガダ(?)の都に一人の女がいた。その女は貧しい家の出身だったのだけど、とても美し... 続きをみる

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