奥の細道を求めて

仏を求める旅

詩のブログ記事

詩(ムラゴンブログ全体)
  • ダラムサラの春

    庭前桜花開 泰然雪山見 此処天竺於 何処彼岸求 子どもたちは歌い踊り 老木はそれを見守る 鸚鵡たちが若木の枝を飛び交い 孤独な鳶は餌を求めて山々を巡る 先日ライブラリーに通う途中でイギリス人のお婆さんに会った。少なくとも80歳は越えていると思う。ダラムサラに住んで38年経つと言っていた。今の彼女が... 続きをみる

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  • マハーカーラの営み

    窓ガラスに映る私の顔とあなたの心が遠く響き会う 私の夢はあなたと一緒に海を渡ることだったのに 私だけがここで凍えている 狐に追われ雪原を逃げ惑う仔うさぎに休める処は無い 遠いヒマラヤの山々は美しい雪に覆われ 花咲く木々の梢に小鳥たちが飛び交っているのに 私一人が誰もいない冷たい氷の中で震えている ... 続きをみる

  • ポール・ヴァレリ

    ヴァレリ はフランスの詩人で、かつ批評においては他に並ぶもののない天才だった。彼の個人的なノートであった『カイエ』に述べられた事柄は今でも私の指針としてある。特に私が24歳の時に読んだグラディアートルの章に述べられた事がらは今の私の人生を決定したと言っていい。 グラディアートルとはその当時のフラン... 続きをみる

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  • 赤い雪のかけらが緑の瞳に溶ける 黄と青の小鳥が飛び交い 緋と紫の花が咲き競うけど 目を閉じても濡れた唇の色は戻らない 優しく包み込む ここに私とあなたがいる 瞬く星空の風の流れる草はらに寝て 私とあなたは繋がる 時はここで止まり 再び動きだすことはない 甘美な一瞬が永遠に止まる前に ねえ僕を恋して... 続きをみる

  • ダラムサラの秋の一日

    雨季が終り 短い秋の始まりは美しい 昨夜降った雨が遠くヒマラヤの初雪になり 夜気が冷たい 近くの山の端に陽が射して 下の町を照らし 日々の生活が始まる 朝顔が輝き 真上から草々に降り注ぐ 雲が湧き上がり 十三日の月が昇ると 家々の窓に火が灯り 霧は深くなり 秋の雲間に月が照る

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  • 白露の時節

    清明時節雨紛紛 路上行人欲断魂 借問酒屋何処有 牧童遥指杏花村 春の盛りの清明の季節はよく雨が降る。好季だというのに、 今日もこぬか雨の降る中を野歩きしている。 道行くわたしの心はすっかり滅入ってしまった。 酒でも飲んで気晴らしをしようと酒屋はどこにあるかと尋ねると、 牛飼いの少年の指さすかなたに... 続きをみる

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  • インドの四季

    八月は雲間に絶え間なく稲妻が走り 激しい雨と風が横殴りに吹きつける びしょ濡れになって震えていると たちまち真上から強烈な太陽が降り注ぐ アンナプルナの冬の山の深い雪の中を 飛ぶウサギはあまりに早くて キツネでさえ目で追うこともできない そしてあまりにも寒く体は凍りつく 春は山あいに桜が咲き 村々... 続きをみる

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  • インド山間の小さな村にて

    深い谷間に見たこともない鳥が飛び交い 何羽もの美しい蝶が舞い踊る 犬がせわしなく餌を嗅ぎ回り 牛は暢気に道端で寝る 陽射しは強烈だけど日陰に入れば寒いくらい 新しい暮らしが始まり 世界は再編される 目の端に金色のウィスキーが映り 遠くにヒマラヤの山々がある 今 世界/意味の全体は再構築されようとし... 続きをみる

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