奥の細道を求めて

仏を求める旅

私が最高の音楽家だと思うプリンスについて

プリンスのどこがそんなにいいの、と聞かれても私にはうまく答えられない。

とにかく最高だ。最高の天才の一人である。

バッハ、モーツァルト、ベートーベンと肩を並べる。しかもそれをリアルタイムで聞いていたのだからなおさらだ。

プリンスはとてもイヤラしくて、セクシーで、悲しい。'when doves cry' なんて聴いていると泣けてしまってしかたない。プリンスの家はアメリカの田舎町のミネアポリスにあった。親父は売れないジャズミュージシャンで、飲んだくれてばかりいて、毎日夫婦喧嘩が絶えなかった。プリンスが5才くらいの時、幼い妹を抱きしめて、怒号と包丁が飛び交う中で泣き震えていたらしい。

プリンスは背が低い。大人になっても160cmくらいしかなかったのでステージではいつもハイヒールを履いていた。なので学校ではイジメられていただろう。でも音楽の才能は飛び抜けていたので地元のライブハウスに飛び入りで歌ったこともあるらしい。私の英会話の先生がミネアポリスの出身だったので、その頃の逸話を聞いていた。無口で、あまり友達もなく、なんか変わったヤツだと言われていたらしい。でも歌っていたライブハウスは今や伝説だ。

意外だったのはマイケル・ジャクソンと仲が良かったらしいことだ。ライバルなんだから仲が悪かっただろうと思っていたら、そんなことはなく、ネバーランドにも行っていたらしい。あれだけの天才同士になるとホントの友達はできないんだろうなと思う。

そんなプリンスももう亡くなってしまった。自宅のエレベーターの中で倒れていたのを発見された。プリンスが寝ているところを見た人は誰もいない。妻でさえも。すべての仕事が終わってから1,2時間だけ寝て、また起き出して一人ですべての楽器をチェックし気にいらないところを自分で再録音する。皆んなが来るまでそれを続ける。マルチミュージシャンでありエンジニアでもあった。あんなに仕事ばかりしていたら長生きはできないね。

今でも命日には家が紫色の花で埋まる。

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