奥の細道を求めて

仏を求める旅

2021年4月のブログ記事

  • モナ・リザ

    フッ、となにかが虚空に笑う 目の端に薄く赤い唇が 嘲笑うチュシャ猫かと見上げると 細かく降る雨の小さな粒だった 見開いた目球を濡らす 奥にまで入り込み ゆっくりと犯し 染み込んで来る 風に揺れるチベットの 蒼い平原に風の馬が飛び 入り乱れて雨の粒を追う 殺戮と蹂躙の歴史 天と地は茫芒と ほらそこに... 続きをみる

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  • ダラムコット

    ここ一年くらい、コロナの影響もあって半径300mくらいの範囲しか歩いていない。それはダラムサラが小さな町であるというのもあり、そこですべての用が足りてしまうというせいでもある。でもそんな、あまり変化のない生活を続けているとそれにも飽きてしまうので、晴れた日に少し遠出してみようと思い立った。 ダラム... 続きをみる

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  • 寒烏

    私のハンドルネームである寒烏は この絵から採った。蕪村の『寒烏図』だ。同じ主題で河鍋暁斎の『寒鴉図』もある。 これらの絵を観るたびに、この烏/鴉は〈私〉だ、と思ってしまう。

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  • 10年前のインドの旅の、苦い思い出

    10年前、私はチャリでお釈迦さまが歩かれたガンガー沿いの仏跡を巡礼していた。その途中、疲れたので田舎の露店の茶店に入ってチャイを飲むことにした。入った途端、店主は顔つきが嫌らしかったけど、チャイを飲むくらいなら何も問題はない、と思って飲んでいると、そこに7歳と3歳くらいの兄弟が重いバケツに水を汲ん... 続きをみる

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  • 六代目 三遊亭圓生の『死神』

    この落語は子供の頃、何回か聴いたことがあってとても好きだった。楽しくて、しかも怖い。それを最近 YouTube にアップされている貴重なテレビ画像で見ることができた。まさに話芸の傑作だ。もともとこの噺は明治期に活躍した圓朝という噺家がグリム童話を元ネタにして作ったものらしい。その噺は、 江戸時代、... 続きをみる

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  • 『クレヨンしんちゃん』と仏教との類似性について

    『クレヨンしんちゃん』のおもしろさは、(特に臼井儀人の原作で)大人の「思い込み」が覆えされるところにある。「コドモとはこういうモノ、オトナとはこういうモノ」という固定概念が覆えさせられる面白さだ。例えば、しんちゃんはオトナの性欲を持っている。同年代の幼稚園の女の子には興味がなく、二十歳の成熟した「... 続きをみる

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