奥の細道を求めて

仏を求める旅

ダラムコット


ここ一年くらい、コロナの影響もあって半径300mくらいの範囲しか歩いていない。それはダラムサラが小さな町であるというのもあり、そこですべての用が足りてしまうというせいでもある。でもそんな、あまり変化のない生活を続けているとそれにも飽きてしまうので、晴れた日に少し遠出してみようと思い立った。

ダラムサラの観光名所にトリウンドというところがある。高い山がよく見える近くの丘であるらしい。でもチョット遠くて標高もかなり高いので、運動不足の私には準備運動が必要だ。なのでその途中のダラムコットという町にまで行ってみることにした。地図で見るとダラムコットは丸い円形の町らしい。距離は2kmくらいだろう。標高差は200mくらいある。



ゲストハウスを出て最初に出会ったのがこの立派なコブ牛



坂道はかなり急だ



その途中に洗濯をしている女性二人もいた、親子だろう。斜面が急なので水は貴重品だ。タンクに貯めて置いて使う。そこはダラムサラも同じ。標高が高くなると温度も2度くらい下がったような気がした。風を冷たく感じる。そこからまた少し登ると小さな平地に出た。多くの道が分岐しているのでここがダラムコットなのかなと思ったけど、見た限りそこは町ではないし登り道もない。トリウンドは丘の上なので登り道があるはずだ。でもここからは見えないだけだろうと思って下り坂ではない道を選んだ。少し歩くと予想通りまた急坂になり、100mくらい登るとそこにまた平地があった



大きな商店があり、カフェもあればゲストハウスも建っている。外国人旅行者も5人くらい見かけたのでここがダラムコットだろうと思った。ダラムコットは円形な町なのでトリウンドに登る道があるはずだ、と思って歩いてみたのだけど、この町は円形にはなっていなかった。いくつもの細い道が放射状に分岐しているだけだ。その道の一つを歩いてみる



こんな感じ



さらに奥に行くとインドの伝統的な土壁の古い家もあり



半分崩れた家もある。二階は崩れているけど一階には人が住んでいるようだ。なんともインドらしい。でもその時はここがダラムコットだと思っていたので、トリウンドへの道の分岐を探して歩いた



するとこんな感じになってしまった。ダラムコットからトリウンドへは自動車道が通っているので、こんな道ではない。でも歩いているとその道がおもしろくて、さらに進んでしまった。やがて階段もなくなり瓦礫の坂道になる。小さな石に足が滑ってしまって何度も転びそうになってしまう。体力が落ちて来ている私は足を挫いてしまうかもしれない。でも登り始めると登り切ろうとするのが人の性なのだろう。



さらに登ると道はもっと細くなり、やがて何処が道なのかも分からなくなってしまった。山の中でこれ以上進むと迷ってしまうだろうと思い引き返すことにした。

ゲストハウスの部屋に戻って地図を確認すると、あの小さな平地の分岐道が多くある所がダラムコットだった。私がダラムコットだと思った町は、トレッキングの林道の中を進む途中の小さな町でしかなかったのだ。でもその小さな町はとてもおもしろかった。山に地図を持たないのは危険だけど、時にはこんなおもしろい拾い物もある。

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