奥の細道を求めて

仏を求める旅

モナ・リザ


フッ、となにかが虚空に笑う

目の端に薄く赤い唇が

嘲笑うチュシャ猫かと見上げると

細かく降る雨の小さな粒だった


見開いた目球を濡らす

奥にまで入り込み

ゆっくりと犯し

染み込んで来る


風に揺れるチベットの

蒼い平原に風の馬が飛び

入り乱れて雨の粒を追う

殺戮と蹂躙の歴史




天と地は茫芒と

ほらそこにあるのは

風に揺れる草と

野に放たれた牛羊だけなのに

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