奥の細道を求めて

仏を求める旅

2023年3月のブログ記事

  • 乱数表、あるいは空について

    乱数表は主にコンピュータ科学で利用される数学的道具の一つだけど、これを完璧に生成できるアルゴリズム(方法)は存在しない。 乱数表なんて勝手に数字を並べれば良いだけなんだから、最も簡単に作れるんじゃないかと思うかもしれないけど、乱数表には人の意思も何らかの物理法則も数学も時間も介在させてはいけない、... 続きをみる

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  • セガンティーニ

    私の好きなセガンティーニという画家はアルプスの高い山の中に暮らしていた。ウィキぺディアに依ると若い頃はイタリアで活躍して 結婚してから故郷のスイスに戻ったらしい。その一枚を紹介すると この絵は『淫蕩な女たちへの懲罰』という題名で知られている。もう一枚 は『悪しき母』 この二枚の絵から類推されるセガ... 続きをみる

  • 言語の本質とは何か

    現代言語学の始まりはソシュール の『一般言語学講義』(悪名高いフランス構造主義の始まりでもある)で、それをより科学的に洗練させたのがチョムスキー の生成文法だ。 私が、言語学にも通底していると思っているコンピュータ科学のデータベースを構築するための最も有効なアルゴリズム(方法論)、に二分木探索法が... 続きをみる

  • マルキ・ド・サド

    性文学の広さと深さは測り知れない。古くは紫式部の『源氏物語』(源氏物語を性文学に分類するのに反対する人はいるだろうか。まだ子供の「紫の君」を力づくで犯したり義母と関係を持ってしまうなんてのは性文学の定番だ)やアラビアの『千一夜物語』、近いところでは永井荷風の『四畳半襖の下張』、谷崎潤一郎の『鍵』、... 続きをみる

  • ドガ

    ドガ という画家はパステルで描いた美しい踊り子の絵 が有名だけど、山田五郎の『大人の教養講座』を視聴してみたら、どうやら彼はオタクでコミュニケーション障害で変態だったらしい。それまで私はドガが淡くてあまり好きではなかったのでよく見てなかったのだけど、もう一枚の踊り子の絵 の端に描いてあるオジサン二... 続きをみる

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  • 音楽と数学

    音楽と数学は似ている。音楽は明確な五線譜上の音符と強弱などの記号で記述され、数学は数と明確に定義された記号で記述される。でもそれらの明確さの中にもある種の揺らぎ(あるいは不確定性)は存在する。 例えば数学的なバッハおけるリズムや音程と詩的なモーツァルトのそれとは同一の五線譜上には表現できなくて、各... 続きをみる

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  • ポール・ヴァレリ

    ヴァレリ はフランスの詩人で、かつ批評においては他に並ぶもののない天才だった。彼の個人的なノートであった『カイエ』に述べられた事柄は今でも私の指針としてある。特に私が24歳の時に読んだグラディアートルの章に述べられた事がらは今の私の人生を決定したと言っていい。 グラディアートルとはその当時のフラン... 続きをみる

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  • マクベスの魔女の言葉

    「お前にはもう二度と安らかな眠りは訪れない」というのは魔女のマクベスに対する宣告だったと思うけど、このことばが私の聞いた中で一番恐いものだった。幸い私はマクベスのような野望は持っていないので、魔女の誘惑に惑はされることなく毎日安らかな眠りを眠っているけど、それへの不安は今でも消えてはいない。 私は... 続きをみる

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  • 赤い雪のかけらが緑の瞳に溶ける 黄と青の小鳥が飛び交い 緋と紫の花が咲き競うけど 目を閉じても濡れた唇の色は戻らない 優しく包み込む ここに私とあなたがいる 瞬く星空の風の流れる草はらに寝て 私とあなたは繋がる 時はここで止まり 再び動きだすことはない 甘美な一瞬が永遠に止まる前に ねえ僕を恋して... 続きをみる

  • 中道について

    大乗仏教の基本理念である中道の解釈には変遷がある。最初にお釈迦様が説いた中道は、苦行によっては涅槃(ニルヴァーナ、こころの平安)に至ることはできない、ということだった。マハーバーラタを部分的にだけど読んでいるとバラモン教の多くの苦行者は圧倒的な力である神通力(超能力)を手に入れてその力によって自分... 続きをみる