奥の細道を求めて

仏を求める旅

乱数表、あるいは空について


乱数表は主にコンピュータ科学で利用される数学的道具の一つだけど、これを完璧に生成できるアルゴリズム(方法)は存在しない。

乱数表なんて勝手に数字を並べれば良いだけなんだから、最も簡単に作れるんじゃないかと思うかもしれないけど、乱数表には人の意思も何らかの物理法則も数学も時間も介在させてはいけない、という理念がある。何にも依存しない数字の羅列は、縁起に依存している(時間の中に生きている)人間には本質的に作れない。

そしてこれは空という仏教の概念にも繋がる、と私は思っている。空は無/死ではない、つまりそこに数/現象は存在するけど、その間には何の関係性/縁起もない。数式で現実の縁起の世界は記述できる(例えば経済学や統計学)だろうけど、空を記述することはできない。

私が空と縁起を区別したいのはこの意味に於いてである。

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