奥の細道を求めて

仏を求める旅

マクベスの魔女の言葉

「お前にはもう二度と安らかな眠りは訪れない」というのは魔女のマクベスに対する宣告だったと思うけど、このことばが私の聞いた中で一番恐いものだった。幸い私はマクベスのような野望は持っていないので、魔女の誘惑に惑はされることなく毎日安らかな眠りを眠っているけど、それへの不安は今でも消えてはいない。


私は子供の頃から寝付きが良くなかった。一時間や二時間くらい眠れないのはいつもの事で、時によっては夜明けまで眠れないこともあって、そんな時には悪夢を見ることも多かった。なので眠りへの不安は良く知っている。そんな悩みから解放されるために大人になってからは酒を飲んで眠ることを覚えたのだけど、おかげで遅刻する度に言い訳を考えるのが大変だった。そもそも酒臭かっただろうからそんな言い訳なんて誰も信じなかっただろうけどね。でも社会生活を円滑に送るためには体裁だけでも調えることは重要だ。

そしてその悪癖は今も続いていて、酒とタバコ




で毎月の生活費の半分が消えてしまう。家賃と学費と食費の合計が酒とタバコ代に同じだなんて、日本では考えられない。インドは物価が安いけど酒とタバコは例外で日本と変わらない。日本の感覚で言うと安いウィスキーが一本3000円くらいでタバコが一箱1500円くらいだろう。年金収入の少ない私は節約をしなければいけないのにこれじゃたまったものじゃない。とはいえ、日々の精神的安定と毎晩の安らかな眠りには替えられない。もしやめて魔女の言葉が実現してしまったら、それこそ最大の悲劇だ。

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