インドの四季
八月は雲間に絶え間なく稲妻が走り
激しい雨と風が横殴りに吹きつける
びしょ濡れになって震えていると
たちまち真上から強烈な太陽が降り注ぐ
アンナプルナの冬の山の深い雪の中を
飛ぶウサギはあまりに早くて
キツネでさえ目で追うこともできない
そしてあまりにも寒く体は凍りつく
春は山あいに桜が咲き
村々に杏の花も開く
空気はしっとり柔らかく
草が萌えてリスが跳ね回る
秋は今そこまで来ている
雨季が終わり陽が差し始めると
空気は薄く月と星が美しい
餌を狩るイタチ達が道を駆け抜ける
インドの四季は薄い氷のようで
手を触れたら溶けてしまう