奥の細道を求めて

仏を求める旅

マハーカーラ

マハーはサンスクリット語で大きな、偉大なという意味でカーラは黒、あるいは時間という意味だ。バラモン教の神さまの名前なので漢訳では大黒天と訳されている。私の解釈ではマハーカーラは倫理的な側面を代表するヤマ/閻魔天と共に具体的に人の生と死を司どる神さまだ。おそらくあと20年くらいで死を迎えるだろう私にとっては最も身近な神さまである。なので準備のためにマハーカーラの神像をダラムサラに住んでいる綾さんという日本人女性のタンカ画家に注文して、私なりの解釈で描いてもらった。




とてもいい。私が絵を注文して私の好みで描いてもらうことができるなんて、日本にいた時には想像もできないことだった。絵は好きだけど画家に知り合いはいないし、注文したら少なくても数十万円は掛かるだろうからそんなことができるなんてハナから考えてもいなかったのだけど、それがダラムサラで実現したのだからこんな嬉しいことはない。


マハーカーラは死と再生を司る神格なので、私の要求は死の恐怖と子どもの無邪気さを両立させてもらいたい、という矛盾を内包するムチャなものだった。でも、この絵はその矛盾を統合している。

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