奥の細道を求めて

仏を求める旅

無気音と有気音

音数の少ない日本語を話す日本人にとって一番難しいのがチベット語の無気音と有気音の区別だと思う。この音は英語、中国語、タイ語、ヒンディー語など多くの言語にある。アルファベット表記ではka  kha の区別なのだけど、チベット語は日本語と同じで子音と母音を同時に発音するので英語の有気音とは少し違う。英語の場合の有気音は子音と母音の間を少しだけ空けて発音するけど、子音と母音を同時に発音する日本語やチベット語では kha よりも kah の表記の方が良いと思う。少しだけ強く口蓋の中に空気を通す音だ。一般に日本語に有気音は無いと言われているけど、実は日本語にも有気音はある。意識して無いだけで、例えばかみ(紙、髪)とかがみ(鏡)の最初の「か」の音の違いだ。紙よりも鏡の最初の「か」の音の方が少しだけ息が口の中に強く通る、と頭では解っていても無気音と有気音を区別しない日本人にとって、日常会話の中でチベット人と同じように聴き分けたり発音したりするのはほぼ不可能だ。


でもチベット語に比べてヒンディー語の方が少しはその差を聴き取り易いので、まずはヒンディー語でその発音を真似してそこからチベット語の発音も聴き取れるようにしたいと思う。そこでサンジャナの出番だ。




ヒンディー語では「か」の無気音は  と表記され、有気音は  と表記される。日常会話ではチベット語の「か」の無気音()と有気音()の区別は聴き分けられないけど、ヒンディー語は注意して文字を追いながら話し言葉を聴けばその違いを少しだけ聴き分けることができる。 は日本人には「かッ」のように聞こえて、 は「かハ」のように聞こえるのでサンジャナに教科書を読んでもらって文字と発音を対応できるようにしたいと思っている。

でもサンジャナは自分の喋りたいことを私の教育水準を無視して喋ってしまうから八割方は聴き取れないのだけど、でもそれはそれで良いと思う。私はサンジャナを理解したいし、サンジャナも私を理解したいと思っているのだから。

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