奥の細道を求めて

仏を求める旅

チベット語の難しさ



この一年半くらいはインドのダラムサラの図書館の授業で毎日チベット語を勉強している。チベット語は日本語と文法が似ているので勉強しやすいのだけど、難しいのは発音とスペルだ。日本人の耳には区別できない音が多いし、(おそらく現代の会話では)場合によって発音したりしなかったりする文字も多くある。チベット語を勉強し始めた頃には、似たような音ばかりなのになぜこれで会話が成立するのだろう、と思っていた。でも一年半くらい経った今ではそれらの区別が少しはできる。一音づつ明確に発音してもらえればその中のいくつかは区別できるようになったので、少しずつ進歩はしているのだろう。

発音では無気音と有気音の区別と微妙な音の高低差の区別が難しい。中国語の発音に高低差があるのははっきり分かるし日本語にも高低差はあるけど、チベット語の普通の会話でその違いをハッキリ聴き分けることは私にはできない。特に難しいのが ཀུ (高音のク)と ཀུད (ウムラウトのク)の違いだ。チベット語にはドイツ語と同じようにウムラウトがあって、母音に特定の子音が付くとアウエの母音が変化する。その中でウの音の変化が一番聴き取り難い。ドイツ語でもそうだった。ドイツ語ではュウのように聞こえたけど、チベット語の場合は ཀུ よりも ཀུད の音の方を少し低く発音し、གུ はそれよりも低い音らしい。日常会話ではもちろん日本人には聴き取れない。でもチベット人はその微妙な高低差を聴き分けているらしい。私にはチベット人のネイティブのように会話することはできないだろう。

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