奥の細道を求めて

仏を求める旅

英語の冠詞について

私は今、日常生活を円滑に送るために英会話を勉強している。サッパリ進んでないのだけど、その中で一つ気になったことがあるので以下に述べてみたい。

日常会話では、学校英語であれだけ喧しく言われた冠詞の使い方はどうでも良くなってしまう。意味さえ通じればいいので、その名詞が the か a か無冠詞なのかは重要ではない。なのでほとんど聴き取れないし(でもネイティブは文脈の中でそれを聴き取っているらしいけど)、日常のコミュニケーションには(特に日本人には)何の支障もない。ところが書き言葉になるとそれが一変し、ネイティヴはとても神経質になる。それは何故なのだろうか。ネイティヴの感覚の中で名詞の冠詞はどのように機能しているのだろうか。

まずは the の使い方から。the はその名詞が話者とその話し相手との共通認識として成立している時に使う。''I read the book'' の ''the'' は日本語で言ったら「あの本」の「あの」にあたるだろう。私も相手も知っている「あの」本についての会話だという事がそれでわかるしその本も具体的に確定できている。そして確定できていない場合には、次に重要なのはその本が一冊なのか複数あるのかということだ。一冊だけなら比較的簡単に読むことができるけど、複数あったら時間がかかる。冊数を確定できない複数の場合には some や any を使う。なのでそれが単数か複数なのかは重要で本質的な問題になる。

そしてここからが本題で、では名詞を無冠詞で使ったらそれはどういう意味に変化するのだろうか。例えば ''I go to school'' と言えば「私は学生です」という意味だし、''I go to bed'' と言えば「私は寝る」の意味になるらしい。でもその名詞に冠詞を付けて ''I go to the school'' と言えば、例えば父母が授業参観か何かでたまたまその具体的な建物としての学校に行く、という意味になるし ''I go to the bed'' と言えば、靴か何かを履くためにそのベッドに腰掛ける、という意味になるらしい。

つまりこれは、具体的な可算名詞を無冠詞で使うと名詞は動詞と連動して抽象化し副詞化する、ということなのだろうか。英語もチベット語と同じように品詞は流動的であるということで、実際、辞書を引くと一つの単語が複数の品詞に跨がっている事が多い。でも英語では、副詞は多くの場合、形容詞に ''-ly'' を付けて副詞化するけど、名詞に ''-ly'' をつけて副詞化することは少ないらしい。それは名詞を副詞化するような用法があるから、ことさら品詞の分類を複雑化させないため、なのだろうか。

そしてここからは私の類推で、''I read the book'' と書けば「私はいつものあの本を読んでいる」という意味になんじゃないかと思うけど、''I read book'' と書けば「私はすべての本の読み方を知っていて、実際いつも読んでいる」という意味になる、のかな?

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