奥の細道を求めて

仏を求める旅

チベットの青年

ひと月くらい前のことだけど、閉じ込められていたゲストハウスに同宿しているチベット人の青年と会って話しをした。

彼は日本語を少し話し、英語と中国語は自由に使える。中国の大学に通っているらしいけど、歳は25,6才に見える。私は最初、学生だろうと思っていたけど、もしかしたら教えているのかもしれない。背が高くて体もがっちりしているし、ハンサムで物腰も柔らかいから、女子学生にもさぞかしモテるだろう。女性にモテない私にはチョット妬ましい。

主に英語で話したので、彼の言葉の1/3くらいしか分からなかったけど、彼が言いたいことは何となく理解できた。

チベットは仏教国なので、そして彼も仏教徒なので、中国とは戦争しないという条件の下、彼は将来チベットを解放するために、今中国にいるらしい。中国の知識人の中で人間関係を広げることによって、その民衆のデモクラシーの力によって中国政府を動かしたい、と思っているらしい。

でもそれはとても難しい事業だ。中国は共産党独裁なので、デモクラシーは許さない。天安門事件がいい教訓だ。無抵抗の学生を戦車で轢き殺してしまったくらいなのだから。

30年くらい前、日本に研修に来ていた中国人の青年達と話した事もあるけど、彼等は皆んな政府の発表を鵜呑みにして、誰も天安門事件の真相を知らなかった。日本で出版されている日本語の本を読んで「とても信じられない」とショックを受けていたくらいだ。なので、少なくても、国家による検閲によって言論の自由が脅やかされるような体制だけは、今すぐにも変革しなくてはいけない。

そしてあらゆる知識を共有し、自由という価値を互いに尊重することによって、いつかチベットが解放される日の来ることを、私も願っている。

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