酒を買いに行く
インドで酒を飲むのは、簡単ではない。ヒンドゥー教で禁止されている。仏教でも同様に、在家でも守らなくてはいけない十戒の内の一つだ。でも、私はこれを守ることができない。西行ではないけれど「酒なくてなんの己れが櫻かな」と言ったところか、仕方ない。ということで、グーグルマップで探して酒を買いに行った。
マジュヌカティラから公園を抜け、
工事現場を横切り、
牛も歩く自動車専用道路を渡って、
この道を左に曲がる。
しばらく歩くとショッピングモールに出る。
でもあいにく店は閉まっていた。他に酒屋はないか、と近くの人に聞くと、その人は川向こうを指差す。前もって調べておいたので見当がついたけど、そうでなければ、指差されただけでは決して分からない。その川だって見えてはいないのだから。せめて「川向こうだよ」とくらい言ってくれたら良いのに。インド人に道を聞くと、漏れ無く全員がこうやって道を教えてくれる。すぐ隣でも、数百メートル離れた場所でも教え方は同じ。ただ指差すだけ。
小便臭い川を渡って、またしばらく歩くと、
ようやく酒屋が見つかった。行き帰り3時間の行程だ。こんな苦労をしなくても、メトロの駅の近くには酒屋があるのだけど、メトロに乗るには荷物検査があり、そこで発見されると没収されてしまう。
インドの夕陽。写真ではうまく写らないけど、まるっきりのオレンジ色だ。