撚糸島
撚糸島は
風に舞う柳やタンポポの綿毛で
無限の宇宙を無数に漂って
青磁色の母の手が私をつつみ
夕陽の繭の中の私とあなたをみつめ
狐と兎たちをベットのくぼみにとじこめて
音も無くのみこむ
それはそこにあってそこにない
瞬きの裡の
漆黒の闇のひかり
※ たしか、撚糸島という言葉は飯島耕一の詩の中に出ていたんだと記憶している。最初に読んだのはたぶん17才の頃だろう。それから何十年も、なぜだかわからないけれど、ずっとこの言葉が私の心の中に引っ掛かっていた。そして今では私の中の、私自身の中核のイメージとして、成立している。