奥の細道を求めて

仏を求める旅

デリー、ニューデリーとマジュヌカティラ

私がインドで2番目に嫌いな町、デリーに着いた。

ちなみに1 番はビハール州の州都、パトナーだ。10 年前、パトナーでは毎日のように怒鳴り合いの大喧嘩をした。一度、銀行で大声を出して抗議し、警備員に外へ連れ出されてしまった事もある。博物館でも同様だった。そもそも入り口でチケットを買うのに、そこにたむろしているインド人達が胡散臭い。そいつらからチケットを買って入ったが、高く、ニタニタ笑っている奴等になんとも嫌な気がした。仏舎利があるというので拝見しに行ったのだけど、中に入り、実際に見ると私が予想していたものとは少し違う。学芸員に、展示されている仏舎利は偽物だ、と抗議した。発掘された場所の写真が違うのだ。そしたら、この写真が一番有名だから使っているだけで、仏舎利が本物であることには間違いない、と言う。今から思うと、おそらく本物だったのだろう。でも第一印象がとても悪く、しかも間違った写真がかかっていたのだから、もう信用できない。本物を持って来い、と強く主張したが、学芸員は取り合ってくれない。頭に来てそのまま外に出てしまった。入り口にたむろしていた奴等は相変わらず人の顔を見てニタニタ笑っている。二度と行きたくない場所だ。

それはともかく、デリーにも嫌な思い出しかない。インドに着いた初日に変なホテルに連れて行かれ、持っていた現金を全部巻き上げられてしまった。その夜はなんとも鬱屈した気分で、こんな事でホントにインドを旅することができるのだろうかと、一晩中ベッドの中で煩悶していたものだ。あんな失敗は二度と繰り返したくない。

というわけで、今回は気合を入れて来た。寄せ来る客引きをすべて追い払い、リクシャーの隙間を縫って歩く。

相変わらずニューデリーは喧しくて汚い。駅前のメインバザールにホテルを予約したのだけど、ホテルを一歩出るともう喧騒と混沌の坩堝になってしまう。でも今回はデリーに長く滞在している日本の方に会い、その方に紹介してもらったホテルに移ることができた。そこはニューデリーから車で30 分くらいの、マジュヌカティラというチベット人キャンプで、そのホテルはチベットのお寺が経営しているらしい。静かで良いところだ。その方には他にも何かと色々お世話になってしまった。

ここがマジュヌカティラの町の入り口。マジュヌカティラは幹線道路とヤムナー河に挟まれた、南北に細長い小さな町で、10 分も歩けば端から端まで行けてしまう。横になら1 分もかからないくらいに小さい。

お寺の広場を中心に、左右に細い道が続いている。

工事中のところもある。

この上に直接、建物を建ててしまうのだろうか。なんだか心配になってしまう。

町の端から幹線道路に出る通り。

そこからの歩道橋。野菜を売っていて、物乞いの人達も多い。町を一歩離れ、ヤムナー河とこの歩道橋に貧しいインド人が多い。

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