奥の細道を求めて

仏を求める旅

シャンカラ

寒烏


昔、バラモン階級の若いインド人に仏教の思想を簡単に解説したら「なんだシャンカラとおんなじじゃん」と言われたことがある。シャンカラは仏教の影響を強く受けて「不二一元論」を説いたバラモン教ヴェーダーンタ学派の学僧だけど、ではシャンカラと仏教思想の違いはどこにあるのだろうか。シャンカラは「梵我一如」を内容とする「不二一元論」を説いた。梵はブラフマンで宇宙原理としての、世界を創造した原理あるいは中性名詞としての神である(ちなみに他の神格と区別するために人格神として呼ぶ場合は男性名詞のブラフマーを使う)。それに対してアートマンは具体的に今ここにいるこの私の本質あるいは真実のことである。つまり神の本質と私の本質は別のものではなく同じものである、という思想だ。私が神であるというのは魅力的な考え方だけど、でもそれだと「私」が絶対的な存在になってしまい、「あなた」との関係性によって成立している縁起としての世界を説明することができない。

シャンカラは世界をブラフマン(神)とアートマン(私)が同一であるという神的一元論で捉えて単純化したけど、お釈迦様が主張した仏教は神を認めないので世界を空と縁起の二元論で捉える。シャンカラと仏教思想の違いはその一点にある。

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